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「来週」と書いた資料が、来週も残っていた
AIが作った案内文の「来週」という言葉は、時間が経つと意味を失います。曖昧な指示がそのまま事故になった失敗と、日付と数字と固有名詞で頼む習慣を紹介します。
AIに資料の下書きを頼むと、それらしいものが数分で返ってきます。
私も案内文や議事メモをよく任せています。
ある日、AIが作った案内文をほぼそのまま送ったあと、読み返して血の気が引きました。
本文に「来週の打ち合わせで」と書いてあったのです。
送った時点では正しい表現でした。
でも案内文は保存されて、あとから読み返す人もいます。
読むタイミングによって、「来週」の指す週が変わってしまう。
時間が経つと嘘になる言葉が、文章の真ん中に埋まっていました。
原因をたどると、私の頼み方に行き着きました。
「来週の打ち合わせの案内を書いて」と、私自身が相対的な言葉で頼んでいたのです。
AIは頼まれた言葉をそのまま使っただけ。
曖昧に頼めば、曖昧なまま整った文章が返ってきます。
整っているぶん、かえって気づきにくいのが厄介なところです。
それからは、AIへの依頼で3つの置き換えを自分に課しています。
日付は「来週」ではなく「7月18日(土)」。
分量は「いい感じに」ではなく「A4一枚、見出し3つ」。
対象は「例の件」ではなく、資料や案件の正式な名前。
頼む前の10秒でこの置き換えをするだけで、出てくるものの精度が別物になります。
もうひとつ、AIに「この指示で曖昧な箇所があれば、書き始める前に質問して」と頼むのも効きます。
「『来週』は具体的にいつですか」と聞き返してもらえれば、事故は起きません。
確認の一往復は面倒に見えて、書き直しの往復よりずっと安上がりです。
AIの失敗に見えるものの何割かは、実は指示の失敗です。
私の場合、体感では半分以上がそうでした。
道具を疑う前に、自分の頼み方を1行見直す。
悔しいですが、これがいちばん効きました。