COLUMN
AIの使い方のコツ|役割を分ける・日付で頼む・重さでモデルを選ぶ
AIの回答が70点止まりになる、案内文の日付がずれる、利用料がかさむ。役割を分ける、日付や数字で頼む、仕事の重さでモデルを選ぶという3つの習慣で、手直しと費用を減らした方法をまとめました。
AIに仕事を頼むようになって、私たちが変えた習慣は3つです。
1人のAIに全部を任せず役割を分けること、日付や数字で具体的に頼むこと、仕事の重さでモデルを選ぶことです。
この3つで、手直しの時間と毎月の利用料がどちらも減りました。
回答が70点止まりになるのは、1人に全部を任せているから
AIに企画案や文章を頼むと、たいてい「悪くないけれど、そのままは出せない」ものが返ってきます。
手直しの時間を考えると、自分で書いたほうが早いと感じることもありました。
変わったのは、作る役とチェックする役を分けてからです。
人の職場でも、書いた本人が検品まで兼ねることはあまりありません。
AIも同じで、同じ会話の中で「ついでにチェックもして」と頼むと、自分の成果物に甘くなります。
新しい会話を開いて別人として読ませるだけで、指摘が鋭くなります。
役割は3つ用意しています。
分野の前提知識を渡しておく専門の係、別の立場から弱点を探すあら探しの係、文体や表記のルールとの照合だけをする仕上げの係です。
あら探しの係には、たとえば次のように頼みます。
「あなたはレビュー担当です。この文章は別の人が書きました。読み手の誤解やクレームにつながる弱点だけを指摘してください。褒める必要はありません」
最後の一文がいちばん効きます。
AIは放っておくと褒めてから指摘に入るので、先に封じておきます。
注意したことは、メモにして毎回渡す
AIは会話が終わると、注意されたことを忘れます。
そこで、AIが間違えたことや直させたことを1行ずつ書き足すメモを1枚だけ用意しています。
「日付は西暦から書く」「社名の表記はこれに揃える」といった内容です。
新しい仕事を頼むときは、このメモを最初に貼ってから始めます。
同じ間違いが3回続いたら、その行はいつも最初に読ませる指示書のほうへ移します。
こうしておくと、仕事のたびにAIの間違いが少しずつ減っていきます。
「来週」ではなく日付で頼む
AIが作った案内文をほぼそのまま送ったあと、本文に「来週の打ち合わせで」と書かれているのに気づいたことがあります。
送った時点では正しい表現でも、保存されてあとから読まれると、指す週が変わってしまいます。
原因は頼み方でした。
「来週の打ち合わせの案内を書いて」と、こちらが相対的な言葉で頼んでいたのです。
曖昧に頼めば、曖昧なまま整った文章が返ってきます。
整っているぶん、かえって気づきにくくなります。
それからは、頼む前に3つを置き換えています。
日付は「来週」ではなく「7月18日(土)」。
分量は「いい感じに」ではなく「A4一枚、見出し3つ」。
対象は「例の件」ではなく、資料や案件の正式な名前です。
「この指示で曖昧な箇所があれば、書き始める前に質問して」と添えるのも効きます。
確認の1往復は、書き直しの往復よりずっと安く済みます。
いちばん賢いモデルを、いつも使わない
以前は、使えるAIの中でいちばん賢いモデルをいつも選んでいました。
月末の利用料を見て、それをやめました。
振り返ると、頼んでいる仕事の大半は、誤字の修正や定型文の作成、ちょっとした調べもののような軽いものでした。
いまは仕事を3段階に分けています。
機械的な作業はいちばん軽くて速いモデル、ふだんの文章作成や調べものは標準のモデル、込み入った原因調査や判断が割れる相談だけを最上位のモデルにしています。
分ける目安は「間違えたときの被害」です。
やり直せば済む仕事は、軽いモデルで足ります。
間違いに気づきにくい仕事や、あとで覆すのが大変な判断だけ、重いモデルを使います。
軽いモデルに変えても、仕上がりはほとんど変わりませんでした。
返事が速いぶん、直しを重ねやすくなったほどです。
毎月の利用料は、以前の半分以下になっています。
まずは、あら探しの係を1つだけ
3つの習慣を一度にそろえる必要はありません。
最初は、あら探しの係を1つ作るところから始めるのがおすすめです。
今日書いたメールや資料を新しい会話に貼り、上の型で頼んでみてください。
返ってくる指摘の的確さで、AIとの付き合い方が変わると思います。
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