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COLUMN

更新・運用

電話ボタンのクリック計測|tel: のタップが、解析に1件も入っていなかった

電話番号のリンクをタップされた回数が、アクセス解析に1件も入っていなかった。
自社の製品サイトでそれに気づいたのは今年7月で、原因は設定のし忘れではなく、クリックを拾う判定の前提がずれていたことだった。
いまは設定なしで電話とメールのタップを数え、サイト内のボタンのクリックも、ページのHTMLを書き換えずに数えている。
この記事では、何が数えられていなかったのか、どう直したのか、計測を足すときに私たちが守っている上限と確認項目をまとめておく。
電話ボタンのクリック計測を始めたい人が、同じところで足を取られないようにしたい。

電話のタップが、標準の計測から漏れやすい理由

中小企業や店舗のサイトでは、問い合わせの入口として一番多く使われるのが電話だと思う。
スマートフォンで見ている人は、ボタンを1回タップするだけで通話が始まる。
フォームの入力よりずっと手間が少ないぶん、「このサイトから何件の電話が生まれたか」は、成果を測るうえでいちばん知りたい数字になる。

ところが、アクセス解析の初期設定のままでは、この数字が取れていないことがある。
クリックの計測は多くの場合、「ほかのサイトへ出ていくリンク」「PDFなどのファイル」「計測用の印を付けたボタン」を対象にしている。
電話のリンクはこのどれにも当てはまらないので、何も設定しなければ記録の外に置かれる。
解析画面にクリックの項目があって、数字がきれいに並んでいると、電話のタップも入っているものと思い込みやすい。

外部リンクの判定が、電話リンクだけ素通りしていた

コンテナのアクセス解析も、7月14日の修正まではこの状態だった。
クリックの記録は「リンク先のホスト名が自分のサイトと違うか、ファイルの拡張子が付いているか」で判定していた。
電話のリンクは tel: で始まり、メールは mailto: で始まる。
このふたつはリンク先にホスト名が無く、ブラウザから見るとホスト名が空になる。
空のものは「別のサイトへ出ていくリンク」の判定に引っかからず、記録の対象から完全に漏れていた。

直したのは、リンクの種類を表す部分(プロトコル)を見て、tel: と mailto: を明示的に拾うことだった。
この変更は2026年7月14日にコアへ入れた。
設定は要らず、プラグインを更新してページのキャッシュを作り直せば、その日から電話とメールのタップが数えられる。
解析画面には、クリックの種類(ボタン・電話・メール・ファイル・外部リンク)がバッジで出るようにして、電話のタップがほかのクリックに埋もれないようにした。

サイト内のボタンも、1件も数えられていなかった

同じ点検で、もうひとつ抜けが見つかった。
サイト内の「お問い合わせ」「資料請求」のようなボタンが、記録されていなかった。
クリックが記録されるのは、外部リンク・ファイル・計測用の印(data-track という属性)が付いた要素だけで、サイト内の別ページへ進むボタンは、印が無ければ対象外だったからだ。

自社のランディングページ(LP)も、点検した時点ではボタンのクリックが1件も記録されていなかった。
印を付ければ解決はするが、全ページのHTMLを開いて、ボタンごとに属性を書いて回る必要がある。
ページ数が多い既存のサイトでは、現実的な作業量ではない。
計測のために記事を一本ずつ開き直すくらいなら、「あとで見よう」と先送りされて、そのまま何も取れないサイトになるだろうと私は思った。

HTMLを書き換えずに、セレクタで数えるようにした

そこで、管理画面の設定に「クリック計測のルール」を追加した。
1行に「キー | 表示名 | セレクタ」の3つを書くだけで、HTMLに手を入れずに、そのセレクタに当てはまる要素のクリックを数える。
セレクタは、スタイルシートで要素を指定するときに使うCSSの書き方と同じものだ。

たとえば次のように書く。
cta_contact | 資料請求ボタン | .ct_btn_primary
tel_tap | 電話タップ | a[href^="tel:"]
左から、記録に使う名前、画面に出す日本語名、対象の指定になる。
自社の製品サイトでは、デモ依頼のリンク、ヘッダーのボタン、資料請求ボタンの3行から始めた。
LPのボタン用の7行も足して、いまは全部で10行になっている。

この設計では、決めたことがいくつかある。
セレクタは3列目、つまり行の最後に置いた。
CSSのセレクタには縦棒(|)が入ることがあるので、先頭や真ん中に置くと、区切りと取り違えて壊れるからだ。
記録するのはキーだけにして、日本語の表示名は設定側にだけ持たせた。
後から「資料請求ボタン」を「資料請求(ヘッダー)」に直しても、過去の記録とつながったまま集計できる。

もうひとつ、順番の決まりがある。
ルールは上から順に当てはめて、最初に一致したものだけが数えられる。
デモ依頼のリンクも、見た目は資料請求と同じボタンのクラスを使っているので、「資料請求」のルールを先に置くと、デモ依頼がすべて資料請求に数えられてしまう。
範囲の狭いルールを先に、広いルールを後に並べるのが、数え間違いを防ぐ基本になる。

計測を増やしすぎないための3つの上限

この計測のビーコンは、誰でもアクセスできる公開の経路でデータを受け取る。
ページを見ただけの人にセッション(ログイン状態の管理)を作らない設計にしているぶん、サーバー側に回数の制限を置いていない。
その代わりに、設定のミスで記録が暴走しないよう、ブラウザ側に3つの上限を設けた。

ひとつ目は、セレクタに「.」「#」「[」のどれかを含むものだけを登録できることだ。
a や div のような広すぎる指定を許すと、ページ中のあらゆるクリックが記録されてしまう。
ふたつ目は、ルールの数を最大20行にしたこと。
3つ目は、1ページで送るクリックの記録を50件で打ち止めにしたことだ。
連打されたり、想定より広く一致したりしても、書き込みが膨らみ続けることはない。
書式が不正なセレクタは、エラーを出さずに読み飛ばして、ほかの計測を止めない。

数字を読む前に確かめたい3つのこと

計測を始めても、画面の数字が「0」のままで、設定が間違っているのか誰も来ていないのか分からない場面がある。
自社で実際に引っかかった点を、確認の順に3つ並べる。

1つ目は、自分の端末からの確認では記録されないことがあること。
製品サイトの本番では、社内の回線を計測の対象から外している。
そのため、会社のパソコンから電話リンクをタップしても、記録は1件も増えない。
動作を確かめるときは、スマートフォンのモバイル回線など、除外していない回線からタップする。

2つ目は、ページのキャッシュを作り直すこと。
計測用のスクリプトは公開ページのHTMLの中に書き出される。
ページを丸ごとキャッシュしている環境では、設定を変えても古いHTMLが配られ続けて、新しいルールが効かない。
設定を保存したら、キャッシュの更新までを一続きの作業にしている。

3つ目は、設定値の引用符が壊れていないか。
プラグインの設定は保存するときに、引用符などが特殊な文字に置き換えられる。
セレクタには a[href^="tel:"] のように引用符が入るので、使うときに元の文字へ戻さないと、置き換えられたままの文字列と比べてしまい、黙って一致しなくなる。
エラーが出ないぶん発見が遅れやすく、「設定したのに0件」の原因として一番手間がかかった。

電話ボタンのクリック計測を始める手順

ここまでの内容を、これから始める人向けの手順にまとめる。

まず、いまのアクセス解析に電話とメールのタップが入っているかを確かめる。
スマートフォンでサイトの電話リンクを1回タップして、解析画面のクリックの項目に電話番号が出るかを見る。
出なければ、ツールの更新か、tel: を拾う設定が必要になる。

次に、数えたいボタンを3つから5つに絞って、ルールを書く。
最初から全部を数えようとすると、見る数字が増えて、結局どれも見なくなる。
資料請求、お問い合わせ、電話の3つがあれば、サイトが問い合わせにつながっているかは十分に読める。

最後に、1週間ほど置いてから、電話のタップ数とお問い合わせフォームの送信数を並べて見る。
店舗や地域の事業者のサイトでは、フォームより電話のほうが多いことが珍しくないと思う。
その差が分かると、電話番号をページのどこに置くか、スマートフォンで押しやすい大きさになっているかを、感覚ではなく数字で直せる。

コンテナのアクセス解析は、電話・メール・ファイルのダウンロード・外部リンクを標準で数え、サイト内のボタンはクリック計測のルールで追加できる。
管理画面だけで完結するので、HTMLを書ける人が手元にいなくても始められる。
詳しい機能は、下のページにまとめている。

アクセス解析(標準搭載)の機能を見る

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